管理栄養士の河邉です。
先日、『手づかみ食べはなぜいいのか』の著者、清水フサ子先生が『手づかみ食べ』を実践されている埼玉県鴻巣市にあるどんぐりっこ保育園を見学させて頂きました。
到着して目に留まったのは、子どもたちが使用する机や椅子のつくり。
椅子は、置き方により4段階の高さに変えられるもので個々の体格に合わせて高さを調整でき、
机は大テーブルを使用し、こちらも学年によって高さに違いがありました。
そして、机・椅子選びの要ともいえる足裏は、ほとんどの子が付く環境。
当クリニックでも患者様に推奨している環境が、見事に整っていました。
続いてお食事の場面では、
スプーンは3歳児から使用しており(明確な決まりはないそうです)4歳児くらいからは箸もおく。
食具を使うか、食べ方は本人にお任せ。「食べる」ことに対して自分の意思で選べる環境がありました。
そして、自ら食べる意欲は0歳児から見事ともいうべき。
たくましい!
口を開いて食べる子は、ほとんどおらず、スプーンの介助はほぼ無し。
0歳児は個々に合わせてミルクを足す。水分補給は0歳からコップを使用し、噛む経験がとても豊か。
通常の月齢では早すぎると思われる固さの野菜をえずくことなく嚥下していました。
お天気も良く、裸になって水遊び、泥んこ遊びなど楽しむ様子は自由で、のびやか。大人達に見守られて子ども達は思いっきり遊んでいました。
お昼にはお邪魔したスタッフも園児の食事を試食させて頂きました。
ご近所の畑から毎日届けられる低農薬の野菜はとにかく甘く、素材の味が美味しい。
子ども達は大地の栄養をたっぷり取り込んでいるようでした。
また、食器も陶器にこだわり、お絵かきに和紙を使用したりと、子ども達に本物を・・・という愛情が至る所で感じられました。
清水先生は、おっしゃいました。
『手づかみ食べは子育てで自然なこと』だと。
体の発達、心の発達という自然なことにただ寄り添う・・・。大人の関わりがその『自然なこと』に制限を与えることがないようにするにはどうすればよいのか。
考えさせられます。
清水先生がおっしゃる『自然なこと』は、優しく、とても深い意味を持つ言葉となりました。
貴重な見学の機会をありがとうございました!